入国前結核スクリーニングが開始されます

結核とは

結核というと、一昔前は「不治の病」として恐れられていましたが、国を挙げての予防や治療に取り組んだ結果、また、医療や生活水準の向上によって、近年ではその死亡率は激減しました。周囲に罹患している人を聞いたこともなく、撲滅したものと思われることもありますが、毎年新たに1万人以上の患者が発生している、日本においても主要な感染症の一つです。
そして、最近の傾向としては、過去に感染を受けた高齢者が、免疫力低下によって発病するケースの増加と共に、外国生まれの患者も増加しています。特に、活動範囲の広い若年層において、新たに結核であることが判明した患者数の大半を、外国出生者が占めています。
そこで、日本国内で結核患者数の多い国籍者のうち、中長期在留しようとする方に対して、入国前に結核を発病していないことを求める入国前結核スクリーニングを開始することが決定されました。
結核は、誰にでも感染する可能性のある疾患です。外国出生者の患者数が多い理由として、慣れない生活や仕事で心身が疲れて免疫が下がった状態となって感染・発症することも考えられます。国籍に関わらず、予防を心がけ、咳が長引くなどの症状がみられた場合は、医療機関の受診を検討してください。
入国前結核スクリーニングとは
入国前結核スクリーニングの対象者(国籍)は?
現在決定されている対象国籍は、フィリピン・ネパール・ベトナム・インドネシア・ミャンマー・中国です。
ただし、現在の居住地が対象国以外の国である場合、居住国の滞在許可証等の確認によって、スクリーニングの対象外となります。
また、JETプログラム参加者、JICA研修員、JICA人材育成奨学計画(JDS)留学生大使館推薦による国費留学生、EPA看護師・介護福祉士、特定技能外国人、家事支援外国人材受入事業については、当面の間、対象外となります。
入国前結核スクリーニングはいつ開始?
健診受付開始 | 結核非発病証明書提出義務付け | |
フィリピン・ネパール | 令和7年3月24日予定 | 令和7年6月23日予定 |
ベトナム | 令和7年5月26日予定 | 令和7年9月1日予定 |
インドネシア・ミャンマー・中国 | 開始に向け調整中 | 開始に向け調整中 |
スクリーニング検査はどこで受けられる?タイミングは?
対象国内に所在する、日本国政府が指定する医療機関で検査(胸部エックス線)を受けることとなります。そして、発行から180日以内の「結核非発病証明書」を「在留資格認定証明書」交付申請時に提出します。
なお、指定医療機関は令和7年1月頃に厚生労働省の特設サイトに掲載される予定です。
検査結果が陽性だったらどうなる?
スクリーニング検査の結果、陽性であることが判明した場合、在留資格認定証明書を申請しても、不交付となります。このスクリーニングが無ければ発病に気づかずに過ごしていたかもしれませんので、予定通りの来日はかなわなくなってしまっても、早期に治療を開始できるチャンスと捉えましょう。
対象国から人材を雇用しようと思っているが、採用活動を進めても大丈夫か。
対象国から人材を雇用する企業においては、採用決定前に結核検査を受けてもらっておくことも検討したいものです。その際、指定医療機関で受診しておけば、在留資格認定証明書交付申請時に提出が必要となる「結核非発病証明書」の発行を受けられます。
指定医療機関がどこかわからない、「結核非発病証明書」の発行を受けたが、180日以内に在留資格認定証明書交付申請を提出できるか不安、という場合、ぜひ、ビザ専門行政書士に申請手続きをご依頼ください。
すでに入国した対象国出身者はどうなる?
すでに入国済みの場合は、対象国出身であっても、特に検査を受ける必要はありません。
また、再入国許可(みなし再入国許可を含む)で一時帰国して再来日する場合にも、スクリーニング検査を受ける必要はありません。
もし、日本に在留する外国籍の友人や同僚に、結核が疑われる場合、適切な医療機関を受診するように伝えましょう。また、「結核予防会結核研究所」では、日本在住外国人のために結核に関する電話相談を無料で実施しています。英語、韓国語(予約制)、中国語、ベトナム語、ミャンマー語(午前中のみ)、ネパール語(第2・第4火曜日は午前中のみ)での対応が可能ですので、少しでも不安がある場合には、積極的な利用を促しましょう。