在留資格「特定技能」とは
コンビニやレストランで接客を行ったり、工場でライン作業に従事する外国人の姿が当たり前となりました。少子高齢化の進む日本において、人手不足が深刻化した特定産業分野では、外国人労働者なくして事業の継続が立ち行かない状況に陥っており、その状況はこの先も変わることがないと見込まれています。
それでも、外国人労働者が埋め合わせをしてくれているのなら、今後も海外からの人材を増やす政策の元、業界は安泰なのでは、と思われるかもしれません。しかし、いわゆる「現業」に従事する外国人の多くが「留学」や「家族滞在」の在留資格(ビザ)で日本に滞在する人たちで、週28時間まで、という稼働時間の制約があり、また、在留期限もあるので、とても安定した労働力の確保ができているとは言えません。
- 「現業」とは・・・『現場作業』で、高度人材が従事する専門職との区別から、建設現場作業の他、コンビニや飲食店の店員や配達員、介護職や工場ライン、清掃なども含む意味で使われます
そうした状況においても、政府が海外から誘致したい人材とは「高度人材(大学などの高等教育を受けた人、それに相当する実務経験を持つ人)」であり、現業にフルタイムで従事することを目的とした就労ビザは存在しませんでした。その結果、現業の人員確保には、主に留学生と家族滞在のアルバイトに頼ることとなり、入管法に精通していない雇用主の元でオーバーワークしてしまう外国人も増えるなど、悪循環に陥っていました。これらの問題の解決策として、2019年4月に「特定技能」という在留資格が創設され、人手不足が特に深刻な特定産業分野の現業に外国人がフルタイムで従事することが可能となりました。
- 「留学」や「家族滞在」の在留資格は原則「就労不可」で、週28時間を上限として就労が可能となる「資格外活動許可」を得たうえでアルバイトすることができます。「日本人の配偶者」や「永住者」など、就労に制限のない在留資格を持つ外国人もいます。
特定技能外国人雇用における特定産業分野とは
介護 ビルクリーニング 工業製品製造業(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3つが統合)建設 造船・舶用工業 自動車整備 航空 宿泊 農業 漁業 飲食料品製造業 外食業 自動車運送業 鉄道 林業 木材産業 |
2019年の施行時においては、5年間で、日本全体で34万5150人の受入を「目標」として掲げられていましたが、運用開始から間もなくコロナによる入国制限や産業全体での雇用の落ち込みが見られたため、運用から3年目となった2021年12月時点の統計では、日本に在留する特定技能外国人数は約5万人と、目標値には程遠い実績にとどまっていました。「技能実習2号」修了者の移行や、日本国内で実施される特定技能評価試験の受験資格を「短期滞在」の在留者にも拡大するなど、特定技能外国人の増加に向けてルールの緩和が実施されましたが、やはり国外からの入国者が制限されていた時期には、受入れ人数は伸び悩んでいました。
その後、2022年以降の入国制限の緩和・撤廃に伴って、特定技能ビザを持つ外国人は新規入国者・国内在住者ともに増加し、2024年6月時点で25万人を超すまでになりました。海外での試験実施も拡充され、また、ほとんどの分野で「特定技能2号」の試験が始まり、分野ごとの受入上限数の調整が行われるなど、状況は目まぐるしく変わっています。コロナ禍の間本国で待機していた技能実習生が2022年に多数上陸しましたが、2025年は彼らの多くが3年間の実習を終えて特定技能へ移行するものと見込まれており、さらに増加するものと推測されています。
特定技能ビザの創設時には含まれていなかった自動車運送業や鉄道分野も、現在、特定技能の対象となりました。日本のインフラを支えてくれる貴重な労働力として、このような外国人たちの活躍が期待されています。
特定技能1号外国人の雇用までのステップ
1.適正な受入れ基盤の整備
特定技能外国人を雇用するために、受入れ機関は適正な労働環境を整えている必要があります。例えば、適正な賃金の支払いや社会保険加入義務履行がなされていないと、許可が下りません。欠格要件に該当する役員がいたり、非自発的離職者を特定技能外国人で穴埋めすることも不許可の原因となりますので、受入れ機関の労働条件を整えるだけでは特定技能外国人を雇用できないケースがありますので、注意が必要です。
さらに、安定した雇用が可能な財政基盤があることも求められ、直近の決算において債務超過がある場合には、財務状況が安定していることを説明するための疎明資料が必要になります。
そして、企業に求められる受入れ基準には、特定技能外国人への「生活支援」も含まれます。
また、建設分野では、国土交通大臣による「受入計画の認定」や「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録、他分野においても事前に協議会へ加入するなど、ビザ申請前から準備を進める必要があります。
2.外国人労働者の採用決定
そして、求人を行う(*)などして、「相当の技能、N4程度以上の日本語能力を有する」外国人の採用を決定してから、在留資格の許可を申請します。「相当の技能」があるかどうかは、該当分野の「特定技能試験」合格、または「技能実習2号・3号」を『良好に修了(予定)』していれば足ります。この「該当分野」というのが、製造業や建設業においては細かく指定があるため、どの試験に合格しているか、修了した技能実習の作業が何であったか、しっかりと確認する必要があります。
(*)現行においては、職業紹介所を通さなくても採用決定することに問題はありません。しかし、「特定技能」は、あくまでも人手不足解消を目的に創設された在留資格です。「建設分野」においては、「ハローワークで有効な求人を行っていること」がビザ許可の条件となっており、今後、他分野でも同じような条件が課されることとなる可能性もありますので、求人活動を行っておいたほうが後々の不許可事由の排除につながります。
3.在留資格申請
受入機関や雇用条件が適正か、外国人側の該当性や在留履歴に不良がないか、立証資料をそろえて入国管理局に申請を提出します。審査に1~2か月かかるため、今日、採用を決定して、明日から働いてもらうというようなことができません。なお、現在すでに特定技能で仕事をしている外国人が転職をしてきたとしても、在留資格は許可の下りた特定の勤務先(所属機関)に限定されているので、「在留資格変更許可」を得なければ適法に就職してもらうことができず、これを知らずに雇用してしまうと、会社のほうも「不法就労助長罪」の罪に問われる可能性があるため、注意が必要です。
4.ビザが許可され、在留カードが交付される
ビザが許可されると、外国人の在留カードが交付され、これでやっと雇用を開始することができます。
初めて受入れする場合には、雇用開始から4カ月以内に協議会へ加入する必要があります。
現在、特定技能1号の在留期間は最長で1年間ですので、期限の2,3か月前には、「在留期間更新」の手続きを行う必要があります。
特定技能外国人のビザ申請については専門家にお任せください
このように、特定技能の在留審査においては、自社の体制から外国人個人の在留状況まで、審査の対象は幅広く、提出する資料も多くの種類の証明書類が求められます。人手不足だからこそ、外国人の手も借りたいという状況の中で、日々の業務の合間に、慣れない申請書類を用意することは、時間を要します。書類に不備があったり、そもそも外国人側が要件を満たしていない、などの理由で不許可となっては、せっかくの時間も費用も無駄になってしまいます。
当事務所では、「特定技能」在留資格の申請を得意としております。ぜひ、当事務所に申請のお手伝いをさせてください。
特定技能申請サポート料金
「特定技能1号」への在留資格変更許可申請(すでに日本にいる外国人)・・・132,000円(税込み)
「特定技能1号」の在留資格認定証明書交付申請(まだ本国にいる外国人)・・・132,000円(税込み)
「特定技能1号」の在留期間更新許可申請(所属機関に変更がない場合)・・・44,000円~(税込み)
その他、「変更・更新」の場合、許可後の在留カード交付時に4,000円の印紙代がかかります。
証明書等の取得を代理・代行する場合には、別途手数料・実費が発生します。
同時に申請する外国人が複数名いる場合は割引いたします。
建設分野における受け入れで、国土交通大臣の「受入計画認定」申請・・・別途66,000円(税込み)
製造分野における受け入れで、協議会への加入サポートが必要な場合・・・別途55,000円(税込み)
登録支援機関と契約せず、自社内で支援を行う場合の支援計画書作成料金・・・別途33,000円(税込み)
技能実習2号又3号から特定技能1号へ移行準備のための特定活動への変更申請も行う場合・・・別途22,000円(税込み)(「特定技能」申請を受任の場合の料金です。)