国外居住扶養親族として申告する際の要件が厳格化されます

2023/1/2執筆

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国外居住扶養親族とは:海外に居住する家族も扶養に含めることが可能

収入が一定以下の家族(所得48万円以下の16才以上)がいる場合、「扶養親族*」として申告すると、扶養控除が受けられます。「扶養控除が受けられる」とは、つまり、納税額が減額されるということです。「扶養親族」は、同居していない場合でも対象者として申告することが可能で、さらには、日本国外で暮らす家族を含めることもできます(例として、「子供が海外の大学に進学し、親が生活費・学費を送金している」がわかり易いケースです)。

この「扶養控除」は、日本人だけの制度ではなく、日本を生活の本拠とする外国人にも適用されます。「扶養親族」の年齢は、16歳以上であれば上限がないため、扶養の対象者は子供である必要もありません。「日本で仕事をする外国人が、母国の老親へ生活費を送金している」という場合にも適用されます。

国外居住扶養親族:今までの制度上の問題点

ただ、この制度の本来の趣旨(養う家族がいる人の税負担を軽減しましょう、ということ)を理解している外国人は多くありません。「扶養親族欄になるべく多く書いておくと、税金が安くなるよ」と言われたから書いておいた、という方が多い印象です。もちろん、中には老齢の両親や失職したきょうだいの生活を支えている、という方もいます。そして、ただ人数を申告するだけではもちろん認められず、家族関係や送金記録などの証明資料を提出します。しかし、対象の家族の所得が一定以下であるかがわかる資料までは求められません。そのため、母国でバリバリ収入がある両親を「扶養している」と申告することも可能です。さらに、とても生活費を賄っているとは言えないくらいの僅かな送金をして「養ってます」と申告できてしまったりと、制度の趣旨から外れてしまっていると言えるケースも散見されています。

国外居住扶養親族の要件改正:令和5年からの変更

そこで、2023年1月からは、国外の扶養家族の対象者に明確な要件が設定されました。

具体的には、30才~69才(いわゆる「働き盛り」の年齢層)を扶養親族と申告するには、扶養親族一人に対し年間38万円以上を、生活費または教育費として送金したことが求められるようになります。例外として、留学のために住民票を抜いたり、障がい者である場合には、38万円以上という金額は求められません(代わりに、関係書類の提出が求められます)。

いままでと同じように「扶養親族〇人」と申告しておいて、年末調整時に送金関係書類を提出できない場合は、遡って住民税や所得税等が扶養控除前の金額で課税され、差額分を追納することになります。そのため、証明書類の保存がとても重要となりますので、外国への送金は、金額、送金先、日付が明記されている控えが発行される方法で行うようにします。為替の変動もありますので、レートを確認し、38万円×扶養親族として申告した人数の送金の記録を残し、今年の年末調整に備えましょう。

外国語で書かれた資料には日本語訳の添付が必要

また、外国語で書かれた書類は、日本語訳を添えて提出する必要があります。

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永住許可取得を目指す外国人・特定技能外国人の方は国外居住扶養親族制度を特に注意

申告した扶養家族への送金資料を提出できず、人数の調整が入り、税額等が修正された場合に、未納額として計上される可能性があります。これは、永住許可を申請する際に提出する納税証明書に記載されます。納期未到来であれば問題ありませんが、修正されたことに気づかず、納期も過ぎてしまっていた場合は、「公的義務の不履行」と認められ、永住許可審査にとってマイナス要素となってしまいます。
そして、特定技能外国人の場合は、公的義務の不履行が認められると、在留資格の更新が許可されませんので、さらに注意が必要です。

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